2006年11月15日

累代、黄信号


 正直、こういう暗い内容の記事を書くのはあまり気がすすまない…。しかし、ダメになった例から得られる情報もあるはずなので、記録の1つとして残しておきたい。

 さて、前回の記事とは真逆のテンションであるが…メス成虫がほぼ同時期に、2頭も死亡した。2頭とも、死因になったと思われる共通のキーワードは『腐敗』である。1頭は写真の個体で、右前肢が変色して腐っているのがお分かりいただけるだろう。この腐敗は、符節の先端の傷口から始まった。それが徐々に進行し、脛節、腿節と蝕んでいったのである。変色箇所は、1日に数ミリ拡大していった。症状が写真のように広がった頃には、私は腐敗箇所の切断を決意していた。しかしまさに決行前夜、この個体は死んでしまった。直前には、体が痙攣を繰り返し、翅や肢はガクガクと奇怪に震えていた。死の数時間前までは元気にエサを食っていたので、数時間で状況が一変したことになる。原因はわからない…が、私なりに推測はしてみた。すなわち、「前肢の腐敗が菌やウイルスによるものだったと仮定した場合、それは前肢に留まらず体中に広がってもおかしくはない。腐敗という可視症状は前肢にしか現れなかったが、体全体が蝕まれていたのではないか」…と。こういう推測は根拠なしに言っても何の解決にもならないが、私には他に思い当たる節が無い。この個体は死後、他の個体よりも明らかに早く体が変色し、腐った。このことから、体内に何らかの異常が起こっていたのでは…と思うに至った。ちなみに、この個体は先日「交尾を確認した」と喜んで報告した個体である。本当に、なかなかうまくいかないものだなぁ…。
 ちなみにもう1頭のメス成虫も、この数日後にやはり腐敗が原因と思われる死を遂げた。その個体は腹端が腐り(消化管に接しない部分の腐敗であったことから、消化不良による変色ではないと思われる)、あっさりと死に至った。まぁ…端とは言え、体幹にあたる腹部の腐敗であったので、すぐに死ぬだろうとは思っていた。残念だ…。

 この時点で、当方のニセハナマオウカマキリはメス成虫が全て死んでしまい、ブリードが頓挫してしまった。しかしオス成虫はまだ健在で、メスも終令と亜終令が数頭残っている。これらの羽化後、再度ブリードに臨みたい。まだ終わりではない…終わらせてなるものか。

  





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