2006年02月20日

オス、羽化不全


 本日明け方、ニセハナマオウカマキリのオスが羽化した…が、様子を観察していると、前肢が抜け切れずに体が『く』の字に曲がっている。明らかに羽化不全。湿潤なケージで羽化に臨んでいたので、湿度不足による羽化不全ではないだろう。何にしても、このまま抜けきれないと死に直結するのがわかっていたので、前肢の古い皮を剥いでやり、羽化を助けた。オスは前肢が抜けたことにより順調に中肢・後肢を脱いでいったが、腹端だけでぶら下がる局面にきて、ぶら下がれずに落下してしまった。そこで私が体を(かなり注意深く)持ってやり、肢が固まるまでの間自然状態と同じように逆さまにぶら下らせてやった(写真:左)。肢が乾くと自分でぶら下れるようになったので、時をみて起き上がらせ、翅を伸ばすのも助けた。
 昆虫の脱皮や羽化を助けた(?)のは今回が初めてではなく、過去にも別のカマキリやセミで同じように『持ってやった』ことがある。その個体たちのその後は、やがて死んでしまうものもいれば自然の脱皮・羽化のようにキレイに体を形成できたものもいた。今回のニセハナマオウの場合は、触角と翅の不全に留まらせることができた。しかし、この個体がやがて羽化するメスの交尾に使えるかどうかは微妙である。交尾に際して重要な役を果たす触角が不全になっているのもさることながら、このオス自体、羽化後どうも弱々しい。と、言いますか…メスはまだ亜終令なんですけど。今までオスに追いつかせようとメスを『促成栽培』していたが、今後もこのオスとの交尾を期待して促成栽培するか、次のオスの入荷を待つために『抑制栽培』するか…迷うところだ。当サイトを見ている方の中にニセハナマオウカマキリのオス個体をお持ちの方があれば、ブリーディングローンに応じていただきたい。

 しかしうまくいかないものだ。私は本種を特に『難関種』であるとは思っていないが、どうも運が悪い。脱皮・羽化に失敗する確率が高いのは、やはり私の技術がついてきていないのだろうか。または、単に運が悪いか…昔から各種カマキリをメス単独で買ったときに持ち腹であることはほとんど無いし(一般的にはカマキリの持ち腹率は高いと言われている)、運が悪いとは薄々感じているが。






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