2006年01月12日

卵嚢を暴く


 前言撤回。2ヶ月なんて待てない。嫌な予感がしたので、海外から届いたニセハナマオウの卵嚢を4つとも暴いてみた。結果は…予感が当たってしまった。4つのうち2つの卵嚢は写真左のように孵化した後の『もぬけの殻』。幼虫が孵化した後の卵の抜け殻だけが残されていた。残りの2つは写真右のように、腐ってカビが生えて黒変していた。結果として、2ヶ月待ってがっかりするより早めに知ってしまってよかったと思っている。
 ところで、カマキリの飼育経験が多少なりともある方なら不思議に思うだろう…『中の幼虫が孵化して空になっている卵嚢に気づかなかったのか?』と。正直に言うと、気付かなかった。カマキリの卵嚢は通常、幼虫が孵化する際に表面に孵化孔が開き、それが孵化後も一種の『孵化後の卵嚢の印』として残る。そんなことは私だって知っているし、卵嚢を見れば孵化前・後どちらであるか判別は容易だ。ところが今回入手した卵嚢には、顕著な孵化孔跡が見出せなかった。孵化した後なのに孵化孔が見出せない…こんなことは初めての経験である。当方でブリードした手持ちの卵嚢がマトモな孵化のあったものではないので、この『孵化後も孵化孔跡が残らない』という現象がニセハナマオウに一般的に見られるものなのかは分からない。「マオウの卵嚢は発泡質きめ細かいので、孵化後も跡が目立たない、もしくは孵化孔跡が雨などにより容易に消えてしまう」などということも考えられる。しかし確証はない。卵嚢の具合から判断して、手元に届いたのは1年以上経った古い卵嚢というワケではなかった。ただ1つ言えることは、ちょっと卵嚢の購入には懲りてしまった(苦笑)ということだ。
 卵嚢を暴いてみてわかったことであるが、ニセハナマオウの卵嚢中にはオオカマキリ並の密度で卵が分布している。面倒なので数えなかったが、どうやら本種の1卵嚢あたりの卵数は数十〜百数十はありそうだ。






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