分布:南アジア、東南アジアなど各地
和名:ボクサーカマキリ
英名:boxer mantis
オス体長4cm前後、メス体長3.5cm前後のカマキリで、その特徴的なフォルムや行動から人気は高いが、入荷量は少ない。名前の由来は前肢腿節にウチワ状に広がった構造物がボクシンググローブに似ていることと、その前肢を動かす特徴的な動きである。体色は写真個体のような褐色型の他に、前翅の縁以外の全体が鮮やかな黄緑色を呈する緑色型が存在する。大変アグレッシブかつ大食い(これはメスに限る)な種で、エサ昆虫を確認すると自ら駆け寄り捕食する。卵嚢は大変綺麗な黄緑色で、その体積はメスの体長を考えると驚くほど大きい(メスの体よりも大きい)ものである。しかし内部には卵がギッシリ入っているのではなく、卵数は20〜40に留まる。卵嚢を光に透かしてみれば分かるが、大部分がただの発泡質である。飼育に際しては、希少であることから多頭飼育は試したことがないが、アグレッシブな性質を考えるとやや危険が伴うであろう。多頭飼育が可能なのは3令程度までではないだろうか。ちなみに、『ボクサーカマキリ』と呼ばれる種は世界中に複数属存在し、本属固有の呼称ではない。
本種幼虫を多頭飼育してみたところ、そのアグレッシブさとは裏腹に、極端な環境でなければ共食いすることなく成長することが分かった。幼虫は4令まではトリニドショウジョウバエだけで容易に育つ。5令になるとキンバエのような中型の双翅目昆虫も狩れるようになるので、これを与える。
<写真>
標本
威嚇
捕食
1令幼虫
3令幼虫(♀)
オスの(メスに対する)ディスプレイ
交尾
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