2005年11月09日

Parasphendale sp.


分布:ケニア、タンザニアなど
和名:尻上げカマキリ
英名:african banded mantis 、bud wing mantis

 メス体長6.5〜7cm、オス体長4.5〜5cm程度。基本体色は灰色で、緑色を呈する個体もいる。オスが一般的なカマキリの形態であるのに対し、メスは翅が短く、成虫になっても腹部を反らせる。これが和名の由来だと思われる。性質は荒く、頻繁に共食いをするので多頭飼育は望ましくない。共食いが始まる令期は3令以降であるので、初〜2令に関しては多頭飼育が可能。乾燥気味の環境で飼育できる。本種は中型であるにも関わらずオオカマキリ並の大きさの卵嚢を生産し、内部には100卵弱が含まれる。
 本属のうち日本に入荷しているのは1種のみのようである。Parasphendale affinisとして売られることが多いようだが、入荷する個体の翅の模様から判断するに、P. affinisではなく、P. africanaもしくはP. agrioninaである可能性が高い。さらに、日本に入荷する種はその全てがタンザニア産(タンザニア便の別の国産ではない)であることから、ケニア、ソマリアを分布域としタンザニアに生息しないP. affinisである可能性は低いといえる。一方、私が少ない資料を参照する限り、P. africanaP. agrioninaは似通っていて、両者の違いが分かる資料も手元にない。分類学者でもない私に判別は不能である。まともな根拠もなく、この2種のうちどちらかであると述べるのはナンセンスなので、我が国に入ってくる本属の個体はここではParasphendale sp.として扱った。本種がP. affinisではなく、同定不能種であることをひいきのショップの方に言ったところ、店頭の『affinis』の表記をすぐに取り下げていただけた。混乱・誤解をまねく表記を事前に避けて下さった姿勢に感謝したい。

<写真>
威嚇
交尾
メス頭部(単眼は痕跡のように退化している。機能しているのかは不明)






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