2006年11月03日

性成熟


 今日、ようやく交尾姿勢(姿勢のみで、生殖器の接合は無し)を確認することができた。オスの羽化からちょうど3週間後の出来事である。ペアリング開始から1週間、なかなか交尾しないのでヤキモキさせられた。去年のオスは羽化後わずか8日で交尾し、ちゃんと受精もしていたが、今年のオスはなぜこんなに性成熟が遅かったのだろうか…?
 本種は国内における飼育例は少ないが、海外では(豊富とは言えないが)ブリード例がちらほらある。そのブリード経験者数人に聞いてみたところ、返ってきた答えは共通して本種オスの性成熟は一般的に羽化後3-4週間経ってからとのこと。これには少し驚いた。何せ、私が去年飼育した本種オスの性成熟は前述のように、これよりかなり早いものだったので…。しかし、考えてみれば納得はできる。本種と同じヨウカイカマキリ科(Empusidae)の一種であるアザミカマキリBlepharopsis mendicaのオスは、羽化後2週間を過ぎてから性成熟していた。これと近縁で、更に体の大きなニセハナマオウカマキリであれば、性成熟にはより長い期間を要してもおかしくは無い。

 去年、なまじ性成熟の早いオスを手にしてしまったので、私の本種に対する考えは一般的なものとかけ離れてしまっていたようだ。去年私が目の当たりにした「オスの性成熟は羽化後8日」という例は、本種としては稀な例であった。オスの性成熟にこんなに時間がかかるのを知っていれば、もう少しオスを早く羽化させておいたのに…。
 ところで、オスの性成熟に3週間以上かかるというのは、外国産カマキリ全般では例外的であるということを誤解しないでいただきたい。一般的な種ではオスは羽化後早ければ1週間、遅くても2週間で交尾可能になる場合が多い。
 





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