《温度》
 ほとんどが熱帯もしくは亜熱帯産である外国産のカマキリを飼う以上、飼育環境を低温にしないことは不可欠です。飼育温度として適しているのは23〜28℃程度ですが、日本では、地域差はあるでしょうが7月〜9月まではほぼ常温で飼育できます。しかしそれ以外の時期は加温が必要です。当方は24〜26℃恒温の飼育室で飼育しておりますが、そのような本格的な設備を用意する必要はありません。爬虫類用のパネルヒーターが市場に出回っていますので、それを用いれば十分です。このような加温装置を持っていない、あるいは用意するつもりのない人は外国産カマキリを飼育する資格がありません。

《湿度・水》
 カマキリを飼育する上で、忘れられがちですが意外と大切なのが湿度(水)です。カマキリは日常でも水を飲みますので、霧吹きなどで給水してやるとよく水を飲む姿が見られます。しかし、飼育下で頻繁に霧吹きをしてやると、水を飲むだけ飲んで嘔吐する個体がでてきます。カマキリが水を飲む姿を見ればわかると思いますが、経口で細菌が入り込んでしまい、コンディションを崩してしまうのではないかと思っています(憶測ですが)。自然の枯れ枝などは霧吹きによる加湿でカビがよく生えますので、これらをケージに入れているのならば尚更です。嘔吐はクセになってしまうこともあり、悪化すれば死に至ることもあるので、当方では霧吹きによる給水はしておらず、カマキリには水を飲ませていません。カマキリは確かに水をよく飲みますが、必ずしも水を飲まなくても死ぬことはありません(コオロギなどのエサに水分が含まれているので)。
 カマキリ飼育に飲料水は必要ないですが、湿度、すなわち空気中の水分は必要不可欠です。空気中の水分は、カマキリの脱皮に必要なもので、過度に乾燥したケージではカマキリはうまく脱皮することができずに古い皮に引っかかってしまい、脱皮不全で死んでしまいます。ケージ内の湿度を適度に保つには、ケージの隅に水を含ませて丸めたティッシュを置くだけでよいです。このティッシュが濡れている状態を維持し、カビが生えるなどして汚れたら交換しましょう。私はこの加湿方法で5年以上外国産カマキリを飼育していますが、今まで順調でしたので問題ありません。

※注意※
 霧吹きをするとき、濡れティッシュを置くとき、共通して注意しなければならないのがケージ内の『蒸れ』です。カマキリは蒸れに非常に弱く、ケージ内が蒸れると驚くほど簡単に死んでしまいます。夏季の暑いとき、冬季にヒーターで加温しているときはケージ内の水分が蒸れに繋がる恐れがありますので、ケージの通気性を最低限確保して蒸れを防ぎましょう。



Copyright(c)2005-2011 Mantid Maniacs. All rights reserved. 当サイトは全ての写真・文章の無断転用を禁じます。