ブリーダーズネットワーク

 ペット市場では、カマキリはマイナーなジャンルに過ぎません。一昔前では熱帯魚ルートや爬虫類ルートに乗って、最近では主にカブト・クワガタの流通ルートに乗って輸入されています。それ故に、我々飼育者が手に入れることができる個体の数は、かなり限られたものになります。その結果、仮に繁殖に成功しても「手元の個体の交尾相手がいない!」という事態は、往々にして起こり得ることです。
 そもそも、手元の1ペアから多数のFが得られたとしても、そのF同士をインブリード(近親交配)するなんてことは、手元で長くその種を維持していこうする飼育者のとるべき行動ではありません。インブリードは本来自然下ではほぼ起こり得ないことです。インブリードの結果として、子孫の小型化、脱皮・羽化不全の頻発、突然死の頻発、卵と精子の受精率の低下、やがては系統の絶滅などが起こります。これらの現象は、私がこの目で確認したことなので間違いありません。「カブトやクワガタではインブリードは一般的で、FやFは当たり前、F6までゴロゴロいるじゃないか。」なんて言わないで下さいね。鞘翅目昆虫は昆虫のなかでもインブリードの負荷や外的ストレスに比較的強いのです。そんな彼らでさえ、何度もインブリードを繰り返すとやはり孵化率の低下や小型化などの障害が発生しやすくなるそうです。
 カマキリは元々インブリードに弱い昆虫ですので、極力避けていただきたいのです。私が外国産カマキリの飼育を始めた当時は入荷個体の数も極端に少なく、種によってはインブリーディングを余儀なくされることも多くありました。しかし、それはその場しのぎにはなるものの、その系統は先細りになり、遅かれ早かれ絶えてしまいました。しかし、今日では入荷する個体数もやや多くなりました。自分の手元に1系統しかなくても、その交尾相手になり得る個体は日本のどこかで、誰かが飼育している可能性があるのです。そこで、私は飼育者同士の活発な交流を提案します。
 
 ブリーディングローンというものをご存知でしょうか?私がこの言葉を知ったのは、タランチュラ飼育においてです。タランチュラは1頭が高価で、手元に1種あたり1頭しか持っていないという飼育者が少なくありません。その個体が寿命の短いオスに成長した場合、そのオスをメスを持つ飼育者に婿に出すのです。その代わりに、オスの提供者はメスが産卵した場合に生まれた幼体を半数もらうことができるのです。入荷量が増えたカマキリですが、まだまだ1人で1つの種を多系統持っている方は少ないでしょう。そこで、自分の系統への異血導入として、ブリーディングローンをおこなってみませんか?当サイトでは、自分の系統を維持する為に他の方に個体の提供を募る場を設けました。他系統との交配による長期維持をお考えの方は、この掲示板で提案なさってはいかがでしょうか? また、系統の維持には困っていなくても、手元の種とのトレードにより新たな種を入手したい方も、同じように呼びかけてみて下さって結構です。


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